シリーズ・機能不全家庭
今日は⑭「病んでいく兄」を、お届けします。
兄は専門学校で経理の勉強をしていた。
就職活動に励んでいたが、全て不採用。
最終的に父のコネで就職したのだが、そこから兄は病んでいった。
兄は仕事のストレスからお酒を大量に飲むようになった。
部屋には空になった缶チューハイが散乱し、アル中のレベルに達していた。
次第に仕事を休むようになり、うつ病と診断された。
その後、ある宗教に入信し、そこで知り合った熱心な信者と結婚した。
兄はうつ病とアル中の治療をしながら、復職と休職を繰り返していた。
収入が少ないのに宗教にお金を注ぎ込み、夫婦そろって借金地獄。
夫婦ともに子どもを望んでいたが、授かることはなかった。
私が結婚してからは、兄と連絡をとることはなくなった。
私は宗教に関わりたくないのに、兄から宗教関連グッズ(御札や置き物などの怪しいもの)が送られてくるから距離を置くことにした。
私の長男が5歳のとき、兄は「七五三のお祝いをあげたい」と言ってきた。
親戚のおじさんとして甥に会いたい気持ちはわかる。
私は疎遠にしていた兄の姿を見るのが怖かったが、勇気を出して兄夫婦を自宅に招待した。
兄は相変わらずアル中で、コップを持つ手がガタガタ震えていた。
その震えを長男が見て、「おじさんどうしたの?」と心配そうに声をかけた。
兄夫婦は何も言わず、違う話題に切り替えてごまかしていた。
長男へのお祝いは、印鑑セットだった。
ただの印鑑ではなく、宗教団体が販売しているものだった。
兄は「神様のエネルギーが入っているから、これは貴重な印鑑なんだよ」と言っていた。
さらに、長男の名前と生年月日から導き出した「鑑定書」と呼ばれる怪しい書類も渡された。
教団のトップが長男の運命などを鑑定したそうで、「これはなかなか手に入らないんだよ」と言っていた。
正直、大迷惑な贈り物だった。
頼んでもいないのに勝手に鑑定されて、気分が悪くなった。
夫も無宗教だから、「こういうの困るよな〜」と、がっかりしていた。
私は宗教に触れたくなかった。
夫や長男にも関わらせたくなかった。
やはり、兄夫婦とは距離を置かないとダメだと思った。
印鑑セットと鑑定書は高額だったらしいが、塩でお清めして「私にはけっこうです。ありがとうございました」と祈りを込め、処分させてもらった。
父と母は頼りにならない。
兄も問題だらけ。
私にとって、実家はお荷物でしかなかった。
ぜんぶ捨ててしまいたくなった。
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はい、思い出話はここまで。
兄と私は同じ環境で育ったのに、仕上がりに差が出た。
兄は借金とかアル中とか、母の悪い面を引き継いでしまったけど、何で不幸を選んだのかな~って不思議に思う。
なんか、、、
“天の計画”がはたらいているような気がしてならない。
もしかしたらだけど、、、
兄は、私のために”頼りない兄“を演じてくれてるのかも。
私が真に自立した人間になれるように、敢えて「協力しない」を選んでくれてたりして…。
そうだとしたら、父も母も兄も、全員完璧な役者だよね。
3人の演技(天の計画)によって、私はめちゃめちゃ強い人間になれた。
愛について深く学ぶこともできた。
そして、、、
普通はなかなか手放せない「家族への執着」をバッサリと、サッパリと手放すことができた。
家族とか生まれ育った環境とか、、、
すべてが完璧。
完璧すぎて鳥肌立つわw
不幸が不幸として起きているんじゃない。
天の計画はそんな単純なものではないわ。
「親ガチャ外れた」って家庭環境や生い立ちの不幸を嘆いている人もいるけど、、、
そんな人たちも、いつか気付くときがくる。
「天の計画、マジすげ〜な」ってねw
では、今日はこのへんで。
またね🌟