シリーズ・機能不全家庭
今日は⑬「妊娠・出産の悲しい思い出」を、お届けします。
私が第一子を妊娠したとき、父は電話で「おめでとう」と言ってくれた。
父の口からこんな優しい言葉が出たのは初めてだった。
え??
今、「おめでとう」って言った?
私はびっくりして固まってしまった。
父のようなDV男でも、初孫の誕生は素直に喜ぶものなのか…。
母には直接会って妊娠を報告した。
母は「えっ?そうなの?」と驚いていた。
祝福モードではなく、ただ報告を受け取る感じ。
あっさりとした反応だった。
妊娠中は両親と会ったり話したりすることはなかった。
「妊娠の経過はどう?」などと聞かれることも一度もなかった。
妊婦健診では、母親に付き添われて受診している妊婦さんがけっこういる。
その光景を見て、「母と娘、仲が良くていいな」「親から大事にされて羨ましいな」と思った。
初めての妊娠はわからないことだらけ。
不安と緊張で心に余裕がなかった。
こんなときに頼れる身内がいてくれたらな…と悲しくなることもあった。
産婦人科の看護師さんはみんな優しくて、私の心は癒やされた。
ベテラン看護師さんは母性愛に満ちていて、私の不安や緊張がほぐれるようにケアしてくれた。
「お腹が大きくなってきたから、腹帯の巻き方を教えてあげるわね」と、私のお腹にさらしをグルグル巻いてくれた。
私の体をいたわりながら丁寧に巻いてくれて、まるで母親が娘の世話をしているような、愛溢れる光景だった。
私はお母さんに優しくされたような気分を味わい、嬉しくて泣きそうになった。
実の母親からは優しくされなかったけど、看護師さんからたくさんの愛をもらい、無事に出産することができた。
出産直後、夫が父と母に「無事に生まれました」と電話してくれた。
5日目には退院だと言うのに、父も母もなかなか面会に来なかった。
距離的にはすごく近いのに、2日目も来なかった。
3日目の夕方、やっと母が来た。
4人部屋の病室に母が入った瞬間、お酒の匂いがした。
なんと、母は酔っ払っていたのだ。
ものすごくお酒臭くて、私は気持ち悪くなってしまった。
生まれたばかりの新生児にも悪影響だから、早く帰ってほしかった。
アル中は恐ろしい。
初孫と対面する大事な日なのに、お酒を我慢することができないなんて…。
母は手土産を持ってきたが、中を見てびっくり。
病院だというのに、マグロの刺し身を持ってきたのだ。
私はマグロが嫌いだし、生臭くて迷惑だった。
同室の産婦さんは、ケーキ屋のスイーツやフルーツのお見舞いを食べていて、「よかったらどうぞ」と、私におすそ分けしてくれた。
産後のお見舞いって普通こうだよな…。
うちはどうしてこんな非常識なんだろう。
マグロの刺し身をおすそ分けするわけにはいかず、夫に頼んで自宅に持ち帰ってもらった。
出産時、出血が多くて体力的に弱っていたのだが、母が面会に来たせいで更に弱ってしまった。
病室にアルコール臭が漂い、かなり気分が悪くなってきた。
「もういいから、早く帰って」
新生児を守るために、母を病室から追い出した。
父がなかなか面会に来ないから、「明日来ないと孫に会えないよ」と連絡した。
入院最終日の4日目、夕方になってやっと父が来た。
父は寝ている初孫をチラッ見て、私にこう言った。
「こんな寝かせ方でいいのかよ」
「お前、ちゃんと世話できんのか?」
「これじゃダメだろ!」
ヤクザみたいな怖い口調で私を責めた。
4人部屋で他の産婦さんもいるのに、ガミガミと大きな声を出す。
産後で体力が衰えた娘に、こんな言葉しかかけない父。
初めての育児で不安だらけなのに、「お前、ちゃんと世話できんのか?」なんて言われたら嫌になる。
父は孫に触れたり抱っこしたりせず、暴言を吐いてすぐに帰ってしまった。
何をしに来たんだろう。
父が帰った後、同室の産婦さんたちの態度が変わった。
父がヤクザみたいな口調でガミガミ怒鳴ったから、みんな怖がっていた。
「この人と関わらないほうがいい」と警戒されてしまったのだ。
病室に微妙な空気が漂い、居心地が悪くなってしまった。
同室者とせっかく仲良くなったのに…。
また、親に壊された。
親と関わるといつもこうだ。
第一子が生まれてホッとしたかったのに、散々な入院生活だった。
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はい、思い出話はここまで。
うちの親、非常識すぎるでしょ?w
マグロの刺し身を見たとき、一瞬、血の塊に見えたの。
私の胎盤かと思って、マジでビビったよw
産後って出血が続くから、しょっちゅう血の色を見るのよね。
だから、マグロの赤が自分の血に見えてしまってwww
今となっては全部笑い話www
激動の時代を駆け抜けたなwww
私の人生ホント面白いwww
笑いすぎたーーーwww
では、今日はこのへんで。
またね🌟w