シリーズ・機能不全家庭
今日は⑩「祖母の年金を狙う父」を、お届けします。
私が19歳のときのこと。
父は、遠方に住む祖母を引き取り、最後まで面倒を見ると言い出した。
同居するには部屋数が足りなかったため、広めの賃貸マンションに引っ越すことに。
父は「面倒を見る」と言ったくせに、相変わらず家に帰ってこない。
母、兄、祖母、私の4人での生活が始まったが、母は祖母を嫌っていたから家庭の雰囲気は最悪だった。
急に祖母を引き取ったのはなぜだろう。
私は、父に対して疑念を抱いていた。
ある日、祖母が「この家は高層だから、窓を開けると砂埃が舞って困る。前の家はこんなんじゃなかったのに」などと、家に対する不満を漏らした。
それを聞いた父が「なんだと?この家に何か文句あんのか!!誰のおかげてここに居られると思ってるんだ!」と激怒し、祖母のことを蹴り飛ばした。
私と母はすぐに止めに入ったが、父は祖母から離れず、肩や背中に何度も蹴りを入れた。
父は親孝行のために同居してるわけじゃない。
祖母の年金は父が管理していたから、お金が目的なのでは…。と疑念が深まった。
数年後、祖母は心不全で亡くなった。
亡くなった場所は祖母の部屋。
発見時、祖母の遺体は畳の上で横向きだった。入口からは顔が見えない。
父は部屋に入らず、ドアの隙間からチラッと覗いただけで、祖母の顔すら見なかった。
死亡確認が終わった後も、父は祖母の遺体に近付かなかった。
そして、私に対して「葬儀屋が来るから、遺体を布団の上まで運んどけ。シーツで包んでおけよ」と、冷たい口調で命令した。
祖母と同居するときに、「最後まで面倒を見る」と言ったくせに、遺体を見ようともせず、汚い物のように扱っていた。
父は「まいったなぁ〜。ここの家賃払えなくなるぞ」と、お金の話をしだした。
祖母の預貯金はゼロ。
父は祖母の年金を奪い、すべて家賃や生活費にあてていたのだ。
はじめから何かおかしいと思っていた。
やっぱり年金目的だったのか…。
亡くなった祖母は、息子の姿を見て何を思ったのだろう。
恨み憎しみを持たず、仏の心ですべてを許したのかな。
何をされても、息子のことは愛しているんだろうな。
私は「おばあちゃん、こんな最後になっちゃってごめんね」と、父の分まで謝った。
天国では、安らかでありますように。
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はい、思い出話はここまで。
父は数年前に亡くなったから、あの世で祖母と再会してるはず。
どんな会話してるんだろう。
「年金返せ!」ってお説教くらってたりしてw
二人は仲良くやってると思う。
親子は、なにがあっても親子だからね。
では、今日はこのへんで。
またね🌟